ダイエットを助けるカラダ基礎知識
2019.03.26

「食べていない」「努力している」のに太る仕組み

みんなと同じように生活して、多少は食事にも気をつけているつもりなのに、じわじわと体重が増えてきていませんか?太る仕組みを知れば、正しいダイエットで健康的にやせられます。ここでは、間違った認識や方法を見直すきっかけになるような知識をたっぷりご紹介します。

太る仕組みを考える女性

流行の服を着たくてもウエストがきつくて断念したり、健康診断で太り気味であることを指摘されたり…「ぽっちゃり気味の方が可愛げがある」などと言い訳するには少し厳しくなってきたあなた。ダイエットに成功して明るく健康に過ごしたくないですか?ここではダイエットのよくある誤解について、太る仕組みを中心に解説します。

「食べていない」のに太る仕組みは?

健康診断などで減量するように言われても、内心で「そんなに食べていないのに」という思いがあるなら、あなたの脳には「食に関する認識のズレ/クセ」ができているのかもしれません。これがあると無意識のうちに食べ過ぎにつながり、太る仕組みが生活のなかにできてしまいます。下記に当てはまるものがあれば要注意です[1]。

  • 水を飲んでも太る(認識のズレ)
  • 満腹でも、好きなものは別腹(満腹感覚のズレ)
  • それほど多く食べていない(摂取量に対するズレ)
  • 目の前の食べ物につい手が出る(食行動の悪いクセ)
  • イライラを食事で解消(食行動の悪いクセ)

これらのズレやクセの恐ろしいところは、本人が意識しにくいということ。自分の行動を客観的に見る仕組みを取り入れないと気づきにくいのです。おすすめの方法は体重や食べたものを記録するレコーディングダイエットです。客観的に自分を見ている他人からの「ダイエットしたら」の声は素直に受け止め、自分の食生活を見直してみましょう。

「今までと同じ食生活」なのに太る仕組みは?

若いときからそんなに食生活が変わったわけではないのに太ってしまう仕組みは2つあります。1つは基礎代謝量の減少、もう1つは太りやすい食習慣です。

基礎代謝量の減少

基礎代謝量とは、横になって安静にしているときに必要なエネルギー量のことです。簡単に言えば、生きているだけで使うエネルギーです。この基礎代謝量が多いほど消費エネルギーが多いので、たくさん食べても太りにくくなります。若いときにどんなに食べても太らなかったのは、基礎代謝量が多かったからです。

この基礎代謝量は体重・身長・年齢によって変わります。思春期に最も多くなり、年齢を重ねるにつれて減っていきます。思春期と30~49歳で基礎代謝量を比較すると、男性では80kcal/日、女性では260kcal/日も低くなります(※参照体重の場合の数値)[2]。

若いときと同じような食べ方をしていたら、基礎代謝として使われなかった余計なエネルギーがじわじわと脂肪に変わり、太ってしまうのです。

太りやすい食習慣

加齢によって基礎代謝量が減ってきてしまうのは誰でも同じです。それなのに、やせたままの人と太ってしまう人の差が出てしまうのは、長年繰り返してきた食習慣の違いが影響を及ぼしているのかもしれません。太りやすい食習慣をいくつかご紹介しますので、ご自身の食習慣を見直してみてください[3]。

  • 料理が余るともったいないので食べてしまう
  • 他人が食べているとつられて食べてしまう
  • 外食や出前では多めに注文してしまう
  • 美味しそうなものをつい買ってしまう
  • お付き合いで食べることが多い
  • 何もしていないときについ食べてしまう
  • お腹が空いていないのに食べてしまう
  • 早食いである
  • 夜食や間食が多い
  • 夕食をとるのが遅い

この中に当てはまるものがあれば、それは今日から意識して修正していきましょう。

「脂質を控えている」のに太る仕組みは?

ダイエットというと、多くの人が最初に思いつくのは「油っこいものを控えること」でしょう。確かに油(脂質)は糖質やタンパク質と比較してカロリーが高いので、これを控えれば摂取カロリーを効率的に減らすことができます。でも、単に脂質を減らせばやせるというものでもないのです。

糖質も体脂肪に変わる

太るというのは体脂肪が増えること。「脂質を摂らなければ体脂肪が増えない」という考えは合っていますが「脂質以外は体脂肪にならない」というのは間違いです。実は、余分な糖質も体内で脂肪に変換されて、蓄えられます。この仕組みをもう少し詳しく解説すると、インスリンというホルモンが関わっています。

糖質を食べると血糖値が上がり、それに反応してインスリンが出てきます。インスリンは血糖値を下げるとともに、過剰な糖質を脂肪に変換して体内に蓄積するように働くのです。そのためインスリンには「肥満ホルモン」という別名もあります。

脂質を控えているのに太るという場合は、もしかすると油分の少ない食事に物足りなさを感じ、つい甘いものなどを多く食べてしまっているのかもしれません。

健康によい脂質もある

脂質にはいくつかの種類があり、なるべく減らした方がいいものと、カロリーオーバーにならない程度に積極的に摂りたいものがあります。大まかに言うと、動物性の脂肪は控え、ナッツ類やオリーブオイル、青魚(魚油)、アマニ油、シソ油、エゴマ油を摂るのが良いのです。

「食事回数を減らしている」のに太る仕組みは?

摂取カロリーを減らすのに最も簡単な方法は「食べない」こと。そう考えて食事の量や回数を減らしているのであれば、それは間違いです。かえって太りやすい体質になってしまいますよ!

野生動物をイメージしてみてください。彼らは毎日決まった時間に食べ物が手に入るわけではありませんね。運よく獲物にありつけたときに脂肪として体内に蓄積し、次の獲物を得るまでの飢えに耐え、生きているのです。人間も昔はこういった環境に置かれていたので、身体はそれに合わせて進化してきています。つまり「食事が摂れないならできるだけ貯めておこう」とするのです。

食事の量や回数を減らすのは、わざと身体を飢餓状態においているのと同じことです。この状態では、食べたものが効率よく脂肪に変換されてしまいます。また、お腹も減っていますから、ついドカ食いをしてしまいがちに。血糖値が急上昇し、インスリンが多く出て、なおさら身体に脂肪がつきやすくなります。

現代の日本では(特殊なケースを除いて)飢餓で死ぬ人はいません。逆に、コンビニや飲食業界の発展により、いつでもどこでも食べることができる「飽食」が問題となっています。「普通に暮らしていたら太ってしまう社会」と言っても過言ではないでしょう。適切な食事を摂ることが難しい世の中だからこそ、それをサポートするための特定保健用食品や健康食品、サプリメント、各種グッズなどが出てきているのです。こういったものも賢く活用しながら、年齢に応じた食生活、運動習慣を続けていくことが、正しいダイエットにつながります。

参考文献

  1. [1]吉松博信. 肥満症治療のアプローチ. 第124回日本医学会シンポジウム記録集 肥満の科学2003; 124-136
  2. http://jams.med.or.jp/symposium/full/124124.pdf
  3. [2]厚生労働省. エネルギー・栄養素. 日本人の食事摂取基準(2015年版)策定委員会報告書
  4. https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083871.pdf
  5. [3]工藤孝文(監). 食行動質問票. 痩せグセの法則. 2017; 12-13

「ダイエットを助けるカラダ基礎知識」の関連情報