ダイエットを助けるカラダ基礎知識
2019.05.31

ダイエットしやすい季節は?基礎代謝を上げるダイエットクイズ

ダイエットの知識として「基礎代謝を上げることができれば、何もしなくても痩せられる」という記載をよく目にします。でも、そもそも基礎代謝って何のことか分かりますか? また、基礎代謝を上げる方法を知っていますか? ここではダイエットしたいあなたのために、クイズ形式で楽しく基礎代謝について解説します。

女性Q&Aイメージ

基礎代謝を上げることで楽にダイエットできる、だから代謝をアップしよう!……こういった謳い文句は巷にあふれています。でも、どうやって基礎代謝を上げればいいのでしょうか。ここでは基礎代謝とは何か、そして基礎代謝を上げるためにはどうすればいいのか、正しい知識を楽しく学べるクイズを4問出します。ぜひチャレンジしてみてください!

Q1.ダイエットしやすいのは夏?冬?

では、さっそく1問目です。ダイエットしやすい季節は、夏と冬のどちらでしょうか。

ヒント:生きているだけで使うエネルギー(基礎代謝)がポイント

ヒントとして、基礎代謝の説明をします。人間は食事から摂ったエネルギー源を使って生きています。運動するとき、仕事するとき、遊ぶとき、寝るとき――いつでも身体はエネルギーを使っていますが、その中で「ただ生きているだけで使うエネルギーはどのくらい?」という疑問に答えるために生まれたのが「基礎代謝」という概念なのです。

「代謝」というのは、人間の身体でのエネルギーの出入りを指す言葉です。それに「基礎」という言葉が付くと、「必要最小限のエネルギーの出入り」という意味になり、生きているだけで使うエネルギーを示す用語になります。実際に基礎代謝を測るときには、12時間以上にわたって絶食し、ストレスのない快適な室温で、安静に横になって覚醒している人で行います。

さて、ダイエットしやすい(=基礎代謝が高い)季節は、夏と冬のどちらでしょうか?

ダイエットしやすいのは冬。だけど現代は…

答えは「冬」です。人間は体温を一定に保たないと生きていけませんよね。周囲の気温が低いほど、体内でエネルギーを燃やして熱を作り出さないといけないので、より燃料が必要です。だから夏に比べて冬の方が「生きていくだけで必要なエネルギー」すなわち基礎代謝が高くなるのです。ですが、現代では基礎代謝の季節差がなくなってきている、とも言われています[2]。その理由としては、

  • 空調や住宅の気密性が上がり、人が感じる気温差が小さくなってきていること
  • 1年中同じ食材を得ることができるために栄養摂取量の季節差がないこと
  • 日常の運動量は夏よりも冬が低いこと

があります。冬は基礎代謝が高くなりやすい季節ではありますが、寒いからといって家に閉じこもって、運動もせずにいてはダメだということです。四季の移り変わりを肌で感じられる生活をすることが大事です。

Q2.女性より男性で基礎代謝量が高いのはなぜ?

先ほどは基礎代謝の季節差に関する質問でしたが、次に男女差について考えてみましょう。

基礎代謝量の男女差はおむすび2個分

日本人の食事摂取基準(2015年版)によれば、標準的な体重の人における1日の基礎代謝量は、30~49歳の男性は1530kcal、女性は1150kcalです[3]。実に380kcalもの差があり、これはコンビニおむすび2個分に相当します。男性はただ生きていくだけでも、女性よりおむすび2個分がプラスで必要ということになります。なぜこのような違いがあるのでしょうか?

筋肉量が多いと基礎代謝量も多くなる

答えは男女の「筋肉量の差」です。どういうことか解説していきますね。

身体の中でも、臓器や組織ごとに生きていくために使うエネルギー量は異なります。臓器・組織別の基礎代謝量の割合が多い順に並べてみたのが下記です[1]。

  • 筋肉   21.6%
  • 肝臓   21.3%
  • 脳    19.9%
  • 心臓   8.6%
  • 腎臓   8.1%
  • 脂肪組織 4.0%
  • その他  16.5%

この通り、身体の中で基礎代謝量が最も多い臓器・組織は筋肉なのです。一般的に、男性の身体は筋肉が多く脂肪が少なめ、女性は筋肉が少なく脂肪が多め。そのため女性よりも男性の基礎代謝量が高いことになるのです。

Q3.基礎代謝を上げるにはどうしたらいい?

では、基礎代謝を上げてダイエットしやすい身体になるにはどうしたらいいでしょうか?

ヒント:基礎代謝量が多い部分で増やすことができるのは……

ヒントは前述した「臓器・組織別の基礎代謝量」です。基礎代謝が一番高いのは筋肉で、肝臓も同じくらい高いです。脳も高めですし、心臓や腎臓もエネルギーをたくさん消費しています。

筋肉量はトレーニングで増やすことができますが、肝臓や脳、腎臓を増やすのは…できませんね。もし安静時でも心臓がバクバク動き続けたとしたら、それは病気です。脂肪組織も少し基礎代謝エネルギーを消費していますが、痩せるために脂肪組織を増やすというのはまったく意味がありません。ダイエットとは脂肪組織を減らすことなのですから。もう答えは分かりましたね?

基礎代謝を上げるには「筋トレ」をしよう

そう、基礎代謝を上げるには筋肉量を増やすことが現実的に唯一の方法です。筋肉量を増やしたいなら、筋トレあるのみ。筋肉量が増えれば、生きているだけで使うエネルギー量が増えます。同じ食事をしていても、筋肉量が多い人の方が痩せやすいのです。

筋トレといっても、必ずしも専門のジムに通う必要はありません。スキマ時間でも、別のことをしながらでも、筋肉量を増やす運動をすることができます。詳しくは『基礎代謝アップで痩せやすい身体をつくる「ながら筋トレ」』の記事をご覧ください。

Q4.基礎代謝はどのくらい増やすことができる?

最後に、筋トレによる基礎代謝アップの程度について考えてみましょう。筋トレを日常的に行って筋肉量を増やせたなら、どのくらい基礎代謝量は上がるものでしょうか?

多く見積もっても150kcalくらい

答えは「多くても150kcal程度」です。ほとんどの場合、同じ体格なら基礎代謝の変動幅は±150kcal以内であると言われています[1]。150kcalというと、中くらいの茶碗に米飯を軽く盛った1杯や、6枚切りの食パン1枚に相当する量です。筋トレを頑張ったからといって、たくさん食べてしまってはダイエットにはなりません。

「それなら、面倒な筋トレなんてしたくない」と思われた方もいるでしょう。しかし基礎代謝アップの良いところは、無意識のうちにじわじわ効いてくるという点です。1日ではたった150kcalの増加かもしれませんが、それをキープできれば1.5か月で1kgほど自動的に痩せられるという計算になります(7000kcal=体重1kg)。しかも、運動するのに使ったエネルギーは基礎代謝とは別に上乗せされます。そう思えばアリだと思いませんか?

ぜひ筋トレでエネルギーを使いつつ、筋肉量の増加により基礎代謝をアップして、痩せやすい身体になりましょう!

参考文献

  1. [1]田中茂穂. エネルギー消費量とその測定方法. 静脈経腸栄養 2009; 24(5): 1013-1019
  2. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/24/5/24_5_1013/_pdf
  3. [2]前田享史ほか. 基礎代謝量の季節変動消失に影響を及ぼす要因について. 第33回人間―生活環境系シンポジウム報告集 2009; 33: 19-22
  4. http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11079572_po_ART0010226245.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
  5. [3]厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書
  6. https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083871.pdf

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