ボディメイクを助ける運動基礎知識
2019.05.31

20分続けて運動しないと脂肪燃焼しない?

脂肪燃焼するのは、運動を始めて20分後から――。こんな話を聞いたことはありませんか?普段から運動習慣がない人にとって、20分以上続けて運動するのは高いハードルに感じるものです。でも現在では、細切れの運動でも同じ減量効果が得られることが分かっています。ここでは、運動と脂肪燃焼についてやさしく解説します。

ウォーキングする男女

ダイエットに成功するには運動で脂肪燃焼すべき。……頭では分かっていても、なかなか重い腰が上がらない人も多いでしょう。以前はよく「脂肪燃焼させるには20分以上続けて運動しないといけない」と言われていました。そんな話を聞くと、長時間の運動は面倒だし、体力に自信がないよ……と余計にやる気がなくなりますよね。

でも、この「20分以上運動してやっと脂肪燃焼」というのは間違いで、もっと細切れに運動しても同じ程度の脂肪燃焼効果を得られることが分かっているんです!日常生活のスキマ時間でやった運動も、何かをしながらの運動も、運動だと意識せずに身体を動かしたことも、どれも脂肪を減らすのに役立ちます。それなら、ちょっと運動してみようかなという気になりませんか?

ここでは、運動の種類と脂肪燃焼の関係や、効率的な運動のやり方などについてやさしく解説します。

細切れの運動でも脂肪燃焼できる!

運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」の2種類があることはご存知ですよね。脂肪燃焼するのは有酸素運動(ジョギング、ウォーキングなど)で、以前は「運動を20分以上続けた後に脂肪が燃え出す」と言われていました。つまり、ジョギング開始後5分でへばってしまったら意味がない、ということになります。そんなことを言われると、普段から運動習慣のない人は「そんなの無理だよ」と思ってしまいますよね。

でも安心してください。近年の研究では、30分の運動を1回した場合と、10分の運動を3回した場合とで、その減量効果には違いがなかったと報告されています[1]。30分続けて運動ができなくても、スキマ時間を使って筋トレやストレッチをすることはできますよね。

起床後はベッドでストレッチを5分して身体を目覚めさせ、朝のニュースを見ながらスクワットを5分、通勤の往復で階段を使って10分、帰宅後は腕立て伏せなどの筋トレを5分して、お風呂上りにストレッチを5分。これで30分の運動ができたことになります。

もちろん、運動の強度が高ければ高いほど、脂肪燃焼効果も大きくなります。ウォーキングをするなら、大股かつ速足で歩くようにしましょう。週に数回は好きなスポーツに興じるとなお良いですね。全力で坂道を上るような高強度の運動にチャレンジしてもいいですが、疲れてやる気がなくなっては意味がないので、毎日無理なく続けられる強度と量で、まずは始めてみてください。

脂肪を減らすにはどのくらい運動すればいい?

「運動は細切れでOK、できる範囲でやればいい」ということをご理解いただいたところで、次に脂肪を減らすにはどのくらい運動すればいいか考えてみましょう。

内臓脂肪が蓄積したメタボ体型を解消するには、「週に10エクササイズ(メッツ・時)の運動」が必要と言われています[1]。エクササイズやメッツはあまり聞きなれない単位ですが、要は運動の強さを示したのがメッツで、エクササイズはメッツに時間をかけたものです。1メッツの運動を1時間すると1エクササイズとなります。

ちょっとややこしいので、具体例を出してみましょう。

通勤や通学時の歩行は「4.0メッツ」の運動です。この歩行を1時間続けると、4.0メッツ×1時間=4.0エクササイズとなります。また、台所で調理・皿洗い・掃除をしているときは「3.3メッツ」の運動に相当します。これを1時間やれば3.3エクササイズになります。この2つを足すと7.3エクササイズですね。

さらに子どもと1時間立って遊べば(2.8エクササイズ)、これで目標の「10エクササイズ」達成です。もちろん、それぞれを1時間続けてやる必要はなく、これを1週間で分割してやればいいのです。そう考えると、そんなに大変じゃなさそうですよね。

どの運動・活動がどのくらいのメッツに相当するのかは、『身体活動のメッツ(METs)表』[2]で確認することができます。こんなことまで運動になるんだ…と新たな発見がありますから、ぜひ一度眺めてみてください。きっと「自分にも無理なくできそう」と思うものが見つかるはずです。

脂肪燃焼に効率的な運動の順番

さて、そろそろ運動する気力がわいてきたでしょうか?どうせ運動するなら効率よくやりたいですよね。そんな合理的なアナタのために、最後に効率のよい運動法のアドバイスを贈ります。

先ほど、運動には有酸素運動と無酸素運動の2種類があり、脂肪燃焼するのは有酸素運動(ウォーキングなど)だと言いました。実はもう一つの無酸素運動(筋トレや短距離走など)も、脂肪燃焼や減量にとって嬉しい効果が2つあるんです。

一つ目は、有酸素運動の前に無酸素運動をすると、より脂肪燃焼しやすくなるということです。無酸素運動で筋肉が刺激されて、成長ホルモンが分泌されやすくなります。成長ホルモンには脂肪を分解する働きがありますので、その後に有酸素運動を行うとより効率よく脂肪が使われやすくなるという仕組みです。ストレッチをしてから筋トレをして、少し息が上がるくらいのスポーツを行うのがおすすめです。

もう一つの嬉しい効果は、無酸素運動(筋トレ)により基礎代謝が上がることです。基礎代謝は「生きていくだけで必要なエネルギー」のことで、これが高いほど痩せやすい身体になります(基礎代謝について詳しくは『ダイエットしやすい季節は? 基礎代謝を上げるダイエットクイズ』をご覧ください)。有酸素運動の前に筋トレをする習慣を付けて、効率よく脂肪燃焼しましょう。

なお、脂肪燃焼を助ける効果のあるトクホや機能性表示食品を活用することもできます。そのような食品やサプリの成分については『ダイエットを助ける健康食品』で解説していますので、興味があれば併せてご覧ください。

参考文献

  1. [1]大河原一憲. メタボリックシンドローム改善のための運動. 厚生労働省e-ヘルスネット.
  2. _https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-002.html_
  3. [2]国立健康・栄養研究所. 身体活動のメッツ(METs)表(改訂版)
  4. _https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf_

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