もっとヘルシー!食事のアドバイス
2019.05.31

血圧が気になる人に「かるしお」のススメ

「かるしお」は、「塩をかるく使って美味しさを引き出す」減塩法のことです。血圧が高い人では減塩をすることが求められますが、どうやったら美味しく食塩を減らした食事ができるのかを示したものです。ここでは、かるしおを生活に取り入れるための知識やコツを分かりやすく解説します。

監修医師

監修 管理栄養士・日本抗加齢医学会認定指導士  篠原絵里佳

一汁三菜イメージ

血圧が高めの人なら一度は「塩分量を減らしましょう」とアドバイスされたことがあるのではないでしょうか?なぜなら、塩分の摂取量が多いほど、血圧が高くなることが科学的に証明されているからです。でも、塩分を減らすと味気ない食事になるから嫌だ……と思う人もいますよね。そんな人にぜひ知ってもらいたいのが「かるしお」です。

かるしおとは?

かるしおとは、「塩をかるく使って美味しさを引き出す」減塩法のことです。国立循環器病研究センターが提唱・推奨しているもので、血圧が高めの人にはぜひ実践してもらいたい方法です。

国立循環器病研究センターは高血圧をはじめ、心臓や血管の病気を専門的に治療・研究している医療施設です。ここの病院では塩分が少なくて美味しい病院食を出しています。入院中にそれを食べた患者たちが「退院しても同じ減塩メニューが食べたい!」という声を寄せたことが、かるしおが考案されたきっかけです。

現在は「かるしおプロジェクト」として、レシピの紹介や減塩商品の認定、ご当地かるしお料理のコンテスト(S-1g大会)をはじめとした各種イベントを通じて、塩をかるく使って美味しさを引き出す方法を広めています[1]。

かるしおってどうやってやるの?

では、実際にかるしおを実践するにはどうすればいいか、具体的にみていきましょう。

出汁をうまく使ってかるしお

かるしおのコツは、出汁をうまく使うことです。出汁をきかせると、塩分が少なくても美味しい料理が作れます。特にかつお節の出汁は、他の出汁(干し椎茸、いりこなど)に比べて味やにおいにクセがなく、いろいろな料理に使いやすいです。

かつお出汁に調味料を加えた「八方出汁」は素材のうまみを引き出してくれます。八方出汁の作り方は下記の通りです[2]。

  1. 1.8リットルの湯に約30gの削り節を入れ、出汁を取る
  2. 出汁1.3リットルに対して砂糖30g、薄口醤油1/4カップ、塩小さじ1(6g)を加え、ひと煮立ちする
  3. 容器に入れて冷蔵庫で保存する

この八方出汁を常備しておくと、簡単にかるしお料理を作ることができます。かるしおプロジェクトのホームページで「季節のかるしおレシピ」を無料で見られますので、ぜひ参考にしてみてください。

『かるしおプロジェクト』

商品を賢く選んでかるしお

かるしおプロジェクトでは、減塩調味料や食品などを認定しています。これまでに「かるしお認定商品」に選ばれた商品は113品目もあるそうです(2019年3月1日時点)[3]。買い物中にこれらの商品を目にしたら、ぜひ試してみてください。認定商品のリストは下記サイトから見られます。

『かるしお認定商品一覧』

なお、かるしお認定商品の他にも、血圧が気になる人向けのトクホや機能性表示食品も登場していますので、そういったものを活用してもいいでしょう。成分一覧は『メタボ予防に効果的な保健機能食品(関与成分)一覧』をご覧ください。

調理中や食事中に工夫してかるしお

この他にも、かるしお(減塩)を行う上でのポイントは色々あります[4]。

  • 調理のポイント
    • 食塩や醤油、味噌をあまり使わない
    • ケチャップやソース、ぽん酢は塩分が少なめだが、使い過ぎに注意
    • 塩分を含まない調味料(酢、コショウ、香辛料)を積極的に活用
    • 計量スプーンで量をきちんと計る
  • 食事のポイント
    • 食卓で塩や醤油を足さない
    • 塩分の多い加工食品は控えめに
    • 麺類を食べるときはスープを残す
    • 和食だけでなく洋食もバランスよく

和食はヘルシーですが、食塩量が多いのが問題です。逆に洋食は塩分量が少なめですが、脂肪分が多くなりがちです。1日のうち1食は洋食にするなど、どちらかに偏ることなく選ぶようにしましょう。

どうして減塩が必要なの?

かるしおは国立の医療機関が提唱したものですが、なぜそこまでして減塩を広めようとしているのでしょうか。それは高血圧の予防や治療に減塩が欠かせないからです。特に日本の食文化は塩分の摂り過ぎになりやすく、日本人には塩分によって血圧が上がりやすい体質の人が多いことが分かっています。塩分の摂り過ぎに気を付けて生活しないと、高血圧になってしまいやすいのです。

では、高血圧がなぜ悪いかというと、血管に必要以上の負担をかけ続けてしまうからです。血圧が高い状態が続くと血管は硬く細くなり(=動脈硬化)、それが脳卒中、心筋梗塞、腎臓病などの怖い病気を引き起こし、命を落とすこともあります。特に血圧が高い上にメタボ体型だと、よりリスクが高まります(『メタボはただの肥満じゃない!メタボ対策「待ったなし」の理由』もご覧ください)。

減塩を習慣づけることができれば、おのずと血圧は下げられます。健康になるために我慢をするのではなく、ちょっとの工夫で無理なく健康を目指す。かるしおはそのための方法の一つです。美味しく食べて減塩していきましょう。

参考文献

  1. [1]国立循環器病研究センター. かるしおプロジェクト
  2. http://www.ncvc.go.jp/karushio/
  3. [2]ロシア国立予防医療科学研究センター・国立循環器病研究センター. かるしおクックブックレット~美味しさを引き出す減塩料理~
  4. http://www.ncvc.go.jp/karushio/recipes/images/karushioh-booklet.pdf
  5. [3]国立循環器病研究センター. かるしお認定商品ポスター
  6. http://www.ncvc.go.jp/karushio/images/karushio-poster.pdf
  7. [4]河野雄平. 食塩と高血圧と循環器病. 循環器病情報サービス. 国立循環器病研究センター
  8. http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph110.html

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