ダイエットを助ける健康食品
2019.04.25

葛の花(由来イソフラボン)の効果とは?―根拠を知って賢く活用を―

ダイエットによい成分として注目されている「葛の花(由来イソフラボン)」。どんな人にどの程度の効果があるのか科学的な検証をしたうえで、特定保健用食品や機能性表示食品として販売されています。中国で古くから飲用されてきた葛の花にはどのような効果が見込めるのでしょうか。詳しく解説します。

監修医師

監修 管理栄養士・料理家  磯村優貴恵

葛の花イメージ

ダイエットに良い食品を試してみようと思っても、多種多様な製品が出ていて、どれを選ぼうか迷ってしまいますよね。市場に出回っている製品には、国の認可を受けたものもあれば、きちんとした根拠がないものもあります。

「葛の花(由来イソフラボン)」については、国が科学的な根拠(データ)を確認して許可を出した特定保健用食品として16品目、国にデータを届け出た機能性表示食品として65品目があります(2019年3月14日現在)[1][2]。このことから、葛の花はある程度の効果が確認されている成分だと考えてよさそうです。

では実際に、葛の花はどのくらい健康によい効果がある食品なのでしょうか。どんな根拠があって認可されたのか知っておくと、商品を選ぶときの参考になります。詳しく見ていきましょう。

葛の花とは?

葛の花は、シナクズ(別名シナノクズ)と呼ばれるマメ科クズ属のつる性多年生植物の花のことで、これを煮出したエキスが添加された商品が売られています。パッケージには「葛の花エキス」や「葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)」と書いてあります。

葛の花は中国で約1000年前からアルコール中毒の治療などに使われていたと言われており、現在もお茶として飲まれています。日本では山菜として、花だけでなく若芽や若葉を料理したものが食べられています[3][4]。

葛の花はイソフラボンを多く含んでいます。なかでも葛の花ならではのイソフラボンが「テクトリゲニン類」で、この成分が効果を発揮しているのではないかと考えられています。ただし、大豆イソフラボンのような女性ホルモン様作用はありません[5]。

葛の花由来のイソフラボンがもつ効果は、肥満に対する作用だけではなく、肝保護作用や脂質代謝改善作用なども報告されていますが、ここでは抗肥満作用について詳しく見ていきます[3][4]。

葛の花の効果とは?

特定保健用食品や機能性表示食品のパッケージには、葛の花は下記のような人に適していると記載されています。

  • 肥満気味な方
  • 肥満が気になる方
  • BMIが高めの方
  • 体脂肪が気になる方
  • お腹の脂肪が気になる方
  • ウエスト周囲径が気になる方

特に、葛の花を含む機能性表示食品に書いてある効果は下記のようなものです。

  • 体重を減らすのを助ける
  • お腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らすのを助ける
  • ウエスト周囲径を減らすのを助ける

このような記載をするためには、国に根拠となるデータを提出する必要があります。実際に、葛の花が体重や脂肪などを減らす効果を検証した試験は複数あります。どんな臨床試験を行い、どの程度の効果が出たのでしょうか。主な試験データを紹介します。

葛の花の臨床試験データ

2012年に発表された論文によると、軽度の肥満(BMIが25~30)の成人男女に葛の花エキスを含む粉末茶飲料を摂取させたところ、偽の飲料を摂取した群と比較して、腹部の内臓脂肪面積や皮下脂肪面積、体重、BMI、ウエスト周囲径(腹囲)などが統計学的に有意に減少したと報告されています[3]。

2017年に報告された新しい研究は、肥満ぎみ~軽度の肥満(BMIが23~30)の人を対象にしています(解析対象者は111人)。葛の花エキスを含む錠剤を12週間飲み続けた結果、偽の錠剤を飲んだ群と比較して、体重や腹囲には4週間の時点で差がつきはじめ、12週後には体重が0.9kg、BMIが0.3、腹囲が1.1cm減少しました。また、腹部の脂肪面積は16㎠(うち内臓脂肪は10㎠)減りました[4]。

また、この2017年の研究では、肥満ぎみの人だけを抜き出して(BMIが25以上かつ腹囲がメタボ基準以上、高血圧、高尿酸血症の人は除外)再解析されています(解析対象者は62人)。この場合も偽の錠剤を飲んだ群と比較して、体重や腹囲には4週間の時点で差がつきはじめ、12週後には体重が1.3kg、BMIが0.4、腹囲が1.3cm、腹部の脂肪面積は20㎠(うち内臓脂肪は12㎠)減少したことが分かりました[6]。

葛の花を含有した食品・サプリメントの活用法

このように、葛の花には内臓脂肪や皮下脂肪、体重、腹囲を減らす効果があることが科学的に証明されています。ここからは葛の花を含有する食品やサプリを飲む際に気を付けたい点をお伝えします。

過信は禁物

先ほどの臨床試験データでも示されたように、葛の花が発揮する効果は限定的です。飲むだけで体型が大きく変わるのを期待してはいけません。葛の花に限らず、飲んだり食べたりしただけでダイエットが成功するという甘い話はないと心得ましょう。

過剰摂取も禁物

葛の花は、パッケージに記載されている量を守っていれば、安全性に問題がないと判断されています[7]。しかし、食べ過ぎたからといって葛の花を過剰に摂取してしまった場合は、安全性は保障できません。もし暴飲暴食してしまったなら、その後しばらくの間は食事量を見直し、適度に減らす、運動量を増やすなどといった形で帳尻を合わせるようにしましょう。

ぽっちゃり気味の人におすすめ

葛の花の臨床試験は、BMIが23以上のぽっちゃり気味~肥満の人が参加したものです。BMIが22以下のやせ~普通体型の人での効果は実証されていません。

生活習慣の改善は必須

葛の花の臨床試験では、食習慣の改善も併せて実施しています。例えば、夕食後2時間以内に寝ない、22時以降は間食も含め食事をしない、各食事の間隔を3時間以上空けるといった注意点を守れた人でのデータとなっています。「飲むだけで効く」と考えてはいけません。

ダイエットのきっかけや意識付けとして利用する

これまでの解説で、葛の花への期待が薄れ、少し残念に思う人がいるかもしれません。でも、それが当たり前なのです。痩せ薬ではなく、あくまで食品なので、目覚ましい効果を期待する方が間違っています。

葛の花は、あなたが食事や運動などの生活習慣を変えていく過程において、少し手助けをしながら一緒に伴走してくれる仲間のようなものです。少しでも効果が出れば、嬉しくなって続ける気になりますよね。あなたの生活が良い方向に改善していくきっかけや意識付けとして賢く利用しましょう。

参考文献

  1. [1]消費者庁. 機能性表示食品の届出情報検索 https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/
  2. [2]消費者庁. 特定保健用食品許可(承認)品目一覧
  3. https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/health_promotion_190212_0001.xls
  4. [3]神谷智康ほか. 葛の花エキス含有粉末茶飲料の腹部脂肪面積低減作用および長期摂取時の安全性に関する検討. 機能性食品と薬理栄養 2012; 7(3): 233-249.
  5. [4]高野晃ほか. 葛の花エキス含有食品の内臓脂肪及び肝機能に対する有効性確認試験―プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験―. 応用薬理 2017: 92(3/4): 91-102.
  6. [5]Kamiya T et al. Evaluation of the estrogenic activity of Pueraria(Kudzu) flower extract and its major isoflavones using ER-binding anduterotrophic bioassays. Pharmacol Pharm 2013; 4: 255-260.
  7. [6]高野晃ほか. 非肥満症者に限定した再統計解析による葛の花エキス含有食品の内臓脂肪に及ぼす影響―プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験―. 応用薬理 2017: 93(1/2): 1-6.
  8. [7]食品安全委員会新開発食品専門調査会. 特定保健用食品評価書(案)「葛のめぐみ」(2015年3月)
  9. https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc2_nf49_kuzunomegumi_270318.pdf

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