健康食品の基礎知識
2019.04.25

トクホと健康食品、どっちがいい?―トクホとは何か、知って得しよう―

ダイエットに良い食品やサプリメントを探していると、トクホ(特定保健用食品)マークをよく目にします。トクホマークが付いている製品と付いていない製品には、どういう違いがあるのでしょうか? トクホを含む保健機能食品の制度を知ることで、より賢く楽にダイエットをサポートする製品を探せるようになりますよ。

監修医師

監修 管理栄養士・料理家  磯村優貴恵

サプリメントイメージ

コンビニやスーパーのドリンクコーナーに行くと、通常の商品と一緒にトクホ(特定保健用食品)が並んでいるのをよく目にするのではないでしょうか。

トクホマークが付いている商品は少し値段が高く、その分の価値があるのか疑問に思ったことはありませんか? もっと値段が高い健康食品の方が、トクホよりも効果がありそうだと感じるかもしれません。

ここでは、トクホと健康食品の違いを知って、より賢く楽にダイエットをサポートする製品を探せるようになるための基礎知識をやさしく解説します。

トクホと健康食品の違いとは?

トクホと健康食品は「食品である(薬ではない)」という点は同じです。違うのは「その食品が健康の維持増進に役立つことをパッケージに表示できる」という点です。

トクホは「体に脂肪がつきにくい」「糖の吸収を穏やかにする」といった特別な表示ができますが、健康食品はあくまで「一般食品」なのでそういった表示は許されていません。この関係性を図でまとめると下記のようになります[1]。

トクホと健康食品の関係図 消費者庁. 「機能性表示食品」って何?(消費者向けパンフレット). 2015より引用・改変

つまり、食品でありながら「健康によい」と堂々と書けるのがトクホなどの「保健機能食品」です。どうして保健機能食品と一般食品で区別することになっているのでしょうか。

トクホは食品の「機能性」を示すための制度

実は、食品には3つの機能があると言われています[2]。

  • 一次機能(栄養的機能):栄養素を供給する機能
  • 二次機能(感覚的機能):味や香り、見た目、歯ごたえなど、人の感覚に訴える機能
  • 三次機能(生体調節機能):身体の調子を整える機能

食品に含まれる栄養素は日本栄養標準成分表(文部科学省)などで確認することができますし、味や香りなどは食べてみれば分かります。しかし、3つ目の生体調節機能は大学や企業の研究所などで調べないとはっきりしません。

「健康によい成分が含まれている」と一般人がすぐわかるように表示してくれれば、日常の食生活で有効活用できますよね。そこで国が基準を定め、審査をパスした食品にマークを付けるようにしました。それがトクホです。

トクホの審査をパスするには、食品ごとに人での有効性を示す臨床試験や安全性を示す客観的な証拠(データ)が必要です。国がこれらのデータを細かく確認するので、メーカーは年単位の準備期間と巨額の研究開発費用を負担して申請します。「それでも価値がある」と判断した事業者がトクホを開発・発売しているのです。

健康食品の「機能性」は不明

一方、いわゆる健康食品(栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品など類似の名称多数)は、健康によい成分が入っているように思わせるような宣伝をしていますが、その食品に健康を増進する効果があるのかは不明です。

トクホのように、あらかじめ国が有効性や安全性を確認しているわけではないので、自分で調べたり、販売元に問い合わせたりしないと分かりません。

ただし、トクホでないなら全部ダメというわけではありません。トクホの申請に必要なコストが出せない中小企業などでは、本当は健康に良い成分が含まれている食品だけども、経営上の理由でトクホにしないという判断をすることもあり得ます。

トクホより緩めの新区分「機能性表示食品」

健康に良い成分が含まれている食品なのに、コストの問題で申請されていない食品があるならもったいないですよね。そこで、トクホほど厳しい審査を受けなくても特別な表示ができるように「機能性表示食品」という新たな制度が作られました[3]。

トクホは食品ごとに審査を行い、国のお墨付きを得ています。一方、機能性表示食品は有効性や安全性に関するデータを国に提出しますが、個別の審査は受けず、「事業者の責任」において機能性を表示することになっています。

この新たな制度なら、事業者にトクホほどの負担がかかりません。消費者にとっても商品の数が増えて、選択肢の幅が広がるというメリットがあります。

ビタミン・ミネラルが基準以上入っていれば表示できる「栄養機能食品」

上の図をもう一度見てもらうと、「保健機能食品」にはトクホと機能性表示食品の他にもう一つ「栄養機能食品」という区分があることに気づくはずです。

これはビタミンやミネラルなど、栄養素としての機能が十分に解明されているものについて、一定の量が入っていれば、特別な表示をしてもいいという制度です。

例えば、ビタミンCが30~1000mg入っていれば「皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ」と書けますし、カルシウムが204~600mg入っていれば「骨や歯の形成に必要」と書くことができます[4]。

違法な表示を見抜く目を持とう

ここまで保健機能食品を中心に、食品の機能性表示について解説してきました。「そんな面倒な制度を作らなくても、食品メーカーがパッケージに好きなことを書けるようにすればいいのに」と思う人もいるかもしれません。

実は、病気の治療や予防、身体の機能の増強・増進の効果があることを食品で書くと、法律違反になってしまうのです。こういう表示は医薬品にしか許されていません[5]。

トクホなどの保健機能食品は、食品でありながら医薬品のような表示をすることを例外的に認めてもらっているのです。このような特別扱いをしてもらうために、有効性のデータ提出などの条件をクリアしています。

逆に、保健機能食品でも医薬品でもないのに「ガンが消える」「高血圧を改善」「老化を防止」「体力を増強」「新陳代謝を高める」などと書いてある商品があったら、それは法律違反をしています。そういった表示をしている商品を見つけたら、注意が必要です。

トクホなどの表示制度ができたのは、消費者が正しい情報を得て、適切な商品に辿り着けるようにするとともに、怪しい商品に騙されないようにするためです。ぜひ、ダイエットによい食品を選ぶ時の参考にしてください。また、サプリメントを選ぶときに注意したいポイントを『自分に合ったサプリメントの選び方|ダイエット編』にまとめていますので、こちらも併せてご覧ください。

参考文献

  1. [1]消費者庁. 「機能性表示食品」って何?(消費者向けパンフレット). 2015/li>
  2. https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about_foods_with_function_claims/pdf/150810_1.pdf
  3. [2]健康と食品懇話会. 文部省(現文部科学省)特定研究「食品機能の系統的解析と展開(1984~1986年)」において、食品の「三次機能」を提唱(参照2019-03-09)
  4. http://kenshokukon.jp/popup/pop16.html
  5. [3]消費者庁食品表示企画課. 食品の新たな機能性表示制度(機能性表示食品制度)について. 2015年3月
  6. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000081333.pdf
  7. [4]消費者庁. 食品表示基準における栄養機能食品とは(参照2019-03-09)
  8. https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/health_promotion_170606_0001.pdf
  9. [5]東京都福祉保健局. 医薬品的な効能効果について(参照2019-03-09)
  10. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/kenko_shokuhin/ken_syoku/kanshi/kounou.html

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