運動を助ける健康食品
2019.07.01

クエン酸の効果とは?―爽やかな酸味で疲労感を軽減―

ダイエットのために運動しなきゃ…と思っていても、日常生活で慢性的な疲れを感じていると、億劫でなかなか始められないかもしれません。この億劫な気持ちを前向きにするために、クエン酸で疲労感対策をしてみるのはいかがでしょうか。ここではクエン酸の疲労感に対する効果について詳しく解説します。

監修医師

監修 管理栄養士  横川仁美

レモンやグレープフルーツなどのクエン酸

クエン酸は、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれる「酸っぱい」成分です。身体が疲れたなと感じたときや運動した後には、爽やかな酸味と甘さが欲しくなりますよね。

青春時代、スポーツ系部活のマネージャーが作ってくれたら嬉しかったものの一つに「レモンのはちみつ漬け」がありますが、これはまさに酸味と甘みの要求に合致した差し入れと言えるでしょう。

このレモンに含まれるクエン酸は「日常生活や運動後の疲労感を軽減する効果」を示す機能性表示食品に配合されている成分でもあります。ここではクエン酸の効果について詳しく説明していきます。

クエン酸とは?

クエン酸はα-ヒドロキシ酸(AHA)の一種で、爽やかな酸味があるので食品添加物として使われたり、スキンケアの成分としても利用されたりしています。クエン酸を多く含んでいる食材を下に示します[1]。

100g当たりのクエン酸含有量

  • レモン全果(3g)
  • 脱脂粉乳(1.8g)
  • 煎り大豆(1.6g)
  • グレープフルーツ(1.1g)
  • キウイフルーツ(1.0g)
  • ネーブルオレンジ(0.8g)

やはりレモンには他の食材よりクエン酸が入っているようです。ちなみに、レモンの酸味はビタミンCによるものだと思われがちですが、実はビタミンCの味ではなく、一緒に入っているクエン酸の味なのです。

クエン酸が疲労軽減に効く理由は?

「クエン酸は疲労を回復する」というイメージは広く浸透しています。これまでクエン酸の作用メカニズムとして、細胞内のエネルギー産生のための「クエン酸回路(TCAサイクル)」で利用されていることから、疲労物質である乳酸が分解されやすくなる――といった説明がなされてきました。ただし現在では、乳酸は疲労物質ではないことが分かっています。

クエン酸を関与成分とした機能性表示食品を製造・販売しているメーカーが消費者庁に届け出た資料によると、クエン酸の疲労感への効果は下記のようなメカニズムで発揮されると説明されています[2]。

  • 枯渇したエネルギーの補充:クエン酸回路を促進してエネルギーを作り出す
  • エネルギー源の貯蓄:肝臓におけるグリコーゲンの合成が促進される
  • 血糖値の維持:肝臓での糖新生が亢進する
  • 酸化ストレスの軽減:脳内の過酸化脂質量を減らす
  • 抗炎症作用:炎症性サイトカイン(TNF-α)の発現を低下

簡単に言うと、クエン酸を摂ることでエネルギーを作り出す材料を確保し、エネルギーを作り出しやすくするとともに、身体がストレスを感じにくい状態にもしてくれる可能性がある、ということです。

クエン酸の効果はどのくらい?

このような作用が想定されているクエン酸を摂取したとき、どの程度の効果が期待できるのでしょうか。日常生活の疲労感および運動後の一時的な疲労感について検証した臨床試験の結果を簡単にご紹介します。

日常生活の疲労感がある健康な成人男女625人を対象に、クエン酸(2700mg)を配合した飲料、もしくは配合していない偽(プラセボ)の飲料を1日1本、28日間飲んでもらった試験では、疲れを全く感じない状態を0、何もできないほど疲れ切った状態を100として評価してもらいました(疲労感を数値化するVAS検査を使用)。その結果、全体的疲労感は4週目に0.50低下し、身体的疲労感は4週目に0.36低下しました[3]。

また、健康な成人男女18人を対象に、1日当たりクエン酸(2700mg)を含有したカプセル、もしくは含まない偽(プラセボ)カプセルを8日間摂取させ、運動してもらった試験があります。運動直後に疲労感をVASで評価してもらったところ、クエン酸摂取群の平均値(60.6)はプラセボ群の平均値(74.6)と比較して低い値が見られました[4]。

このように、クエン酸には日常の疲労感や運動後の一時的な疲労感を軽減する効果が見られましたが、いずれもわずかな変化でした。クエン酸を摂ったら完全に疲労回復!ということは期待できなさそうです。

クエン酸を活用する際のポイント

運動や日々の生活で疲れたとき、身体は血糖値が下がっていたり、水分不足で脱水気味だったりする可能性があります。糖分や水分の補給をする際に、クエン酸をプラスして摂るのもいいでしょう。はちみつレモンで糖分とクエン酸が摂れますし、梅干しとお茶では水分・塩分・クエン酸を補給することができます。何より爽やかな酸味が、口内や気分をスッキリさせてくれます。

クエン酸は基本的に安全なものですが、まれに下痢や吐き気を催すことが知られています。また、サプリメントの形で大量に飲んでしまうと、血液や体液のpHバランスが崩れて危険な状態に陥る可能性があるので、パッケージに書かれている目安量を守るようにしてください。

参考文献

  1. [1]文部科学省. 食品成分データベース
  2. [2]消費者庁. 機能性表示食品の届出情報(機能性関与成分名;クエン酸)
  3. [3]梶本修身ほか. 「レモンクエン酸配合飲料」の疲労を感じやすい健常者における抗疲労作用. Jpn Pharmacol Ther 2007; 35(7): 809-19
  4. [4]Sugino T et al. Effects of Citric Acid and l-Carnitine on Physical Fatigue. J Clin Biochem Nutr 2007; 41(3): 224-30

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