ダイエットを助ける健康食品
2019.08.01

カフェインにダイエット効果はある?―摂り過ぎにご注意―

カフェインは眠気を覚まし、頭を冴えさせて疲れを感じにくくする作用があります。カフェインを摂ると元気になるのだから、体内のエネルギーがたくさん使われて、結果的にダイエットになるかも…と考えている人もいるのでは?ここでは本当にカフェインがダイエットに効くのか、解説していきます。

カフェイン 疲労回復 リラックス

「疲れたな~」「眠いな~」と思ったとき、カフェインを多く含むコーヒーやお茶、エナジードリンクなどに頼ってしまうこともありますよね。また、日常的にコーヒーや紅茶を愛飲している人も多いでしょう。

私たちの生活において身近なカフェインに、ダイエット効果もあったら嬉しいですよね。実際に「脂肪を消費しやすくする」と謳ったトクホのコーヒーが売られているので、「カフェインはダイエットに良い」と思っていても無理はありません。

ここでは、カフェインが体重減少に効くのかどうか、詳しく解説していきます。

カフェインとは?

カフェインはコーヒー豆や茶葉に多く含まれる成分です。一般的なドリップコーヒー(100mL)には60mg、緑茶や紅茶(100mL)には20〜30mgほど含まれます[1]。また、エナジードリンクや眠気覚ましドリンクなどは製品によりまちまちですが、1本当たり36~150mgほど含まれるものが多いようです[2]。

カフェインは、化学的にはアルカロイド(窒素を含む有機化合物)に分類されます。神経細胞を興奮させる作用があるため、眠気や疲労感の緩和に効果が期待できます。ただし、この作用には個人の体質の差が大きく、少しの量で効く人と、多く摂ってもあまり効かない人がいます。また、少しずつ耐性ができて、以前の量では同じ効果が得られにくくなるという特徴もあります[1]。

体質的にカフェインに弱い人、またカフェインを一度に過剰摂取(400mg/日以上)した人では、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、ふるえ、不眠症、下痢、吐き気が起こることがあります[2]。もしこのような症状が起こったら、カフェインは控えましょう。

カフェインのダイエット効果とは?

さて、カフェインのダイエット効果についてはどうでしょうか。前述したように、体脂肪を減らすトクホのコーヒーが発売されていることからも、カフェインにも減量効果があるように思いますよね。「カフェイン=コーヒー」というイメージをお持ちだと、そう捉えやすいかもしれません。

しかし、このトクホの関与成分は「クロロゲン酸類(5-カフェオイルキナ酸)」であり、実はカフェインによるダイエット効果というものではないのです(クロロゲン酸類には脂肪をエネルギーとして消費しやすくなるという作用が確認されています)。つまり、同じコーヒーに含まれる成分でも、カフェインではない別の成分による効果なのです。

カフェインは熱産生を高める

では、カフェインには全くダイエット効果がないのでしょうか?実は少しだけですが、効果はあるようです。

ダイエットをするときには、食事から得たカロリー(エネルギー源)をいかに燃やす(消費する)かが大事ですよね。カフェインには食事によるエネルギーの燃焼を少し増やす(熱産生を亢進する)作用があることがわかっています[3]。また、カフェインは脂肪の燃焼を増やしてエネルギー消費を上げることも報告されています[4]。

カフェインのダイエット効果を調べた研究

だとすると、次に気になるのは、カフェインでどのくらいの体重減少効果が望めるのかということですよね。

米国のハーバード公衆衛生大学院では、12年にわたる長期間の研究で、カフェイン摂取量と体重減少の関係について調べました[5]。約6万人の健康な男女を対象に、日常生活でどれだけカフェインを摂っているのか、体重はどう変化したのかを聞き取り集計したものです。これだけ多くの人の長期間にわたる研究データなので、信頼できるデータといえるでしょう。

12年間でカフェイン摂取量が減った群(中央値;男性-294mg/日、女性-317mg/日)と増えた群(男性+211mg/日、女性+141mg/日)で比較すると、カフェイン減少群では体重は12年間で男性3.14kg、女性4.17kgの増量。一方、カフェイン増加群では男性2.71kg、女性3.81kgの増量が報告されています。

いずれも12年間で体重が増えていますが、その増え幅はカフェインを多く摂るようになった人の方が少ないという結果でした。この結果をさらに解析すると、男性では若いほど、女性では肥満(BMIが25以上)で運動習慣がなく、喫煙している人でより関連が強いことがわかっています。

この研究からは、「これだけカフェインを摂ればこれだけ体重が減る」というような分かりやすい解釈はできませんでした。集団で見たときに、カフェインはダイエットに良さそうではありますが、それほど作用は強くないと推察できます。

カフェインだけでダイエットするのは難しそう

このように、カフェイン自体にもエネルギー燃焼を増やす作用はあるのですが、ダイエット効果としてはあまり強くは期待できなさそうです。もしかするとぽっちゃり体型の女性なら将来の体重増加が少しだけ抑えられるかも?といった程度です。

コーヒーは飲み方も大切で、砂糖やクリームのようにカロリーに高いものがたっぷり入ったコーヒーを日常的によく飲んでいるのであれば、かえって逆効果になっているかもしれません。「ダイエットにはブラックコーヒー」は必ず守りましょう。

また、カフェインは眠気や疲労感を改善してくれる成分ですが、それに頼りすぎて過剰摂取をしてしまうと、かえって健康を損ねます。特に疲労については、カフェインが「解消」してくれるわけではなく、感じにくくして「先送り」をしているだけだということを知っておいてください。

これを機会に、カフェインとの付き合い方を見直してみませんか?

参考文献

  1. [1]栗原久. 日常生活の中におけるカフェイン摂取―作用機序と安全性評価―. 東京福祉大学・大学院紀要 2016; 6: 109-125
  2. [2]食品安全委員会. 食品中のカフェイン(ファクトシート),2018
  3.  https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf(参照2019-06-29)
  4. [3]Acheson KJ et al. Caffeine and coffee: their influence on metabolic rate and substrate utilization in normal weight and obese individuals. Am J Clin Nutr 1980; 33(5): 989-97.
  5. [4]Acheson KJ et al. Metabolic effects of caffeine in humans: lipid oxidation or futile cycling?Am J Clin Nutr 2004; 79(1): 40-6.
  6. [5]Lopez-Garcia et al. Changes in caffeine intake and long-term weight change in men and women. Am J Clin Nutr. 2006; 83(3): 674-80.

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