ダイエットを助ける健康食品
2019.09.02

酢酸(お酢)の効果とは?―内臓脂肪が気になるぽっちゃりさんへ―

酢酸が「血圧が高めの方に適する」としてトクホに登場したのは2005年のこと。今では「肥満気味の方の内臓脂肪を減らす」という機能性表示食品も出てきています。ここでは酢酸のダイエット効果にフォーカスして、どのくらいの効果があるのか簡単に解説していきます。

監修医師

監修 管理栄養士  廣野沙織

酢酸

酢酸、すなわちお酢は、料理の調味料としてはもちろん、健康に良いドリンクとしても広く使われています。お酢を飲みやすくした商品はスーパーやコンビニでよく見かけますし、おしゃれなカフェから居酒屋まで、お酢を使った飲み物が販売されていますよね。

この酢酸が注目され、初めて酢酸での特定保健用食品が世に出たときは「血圧」への効果が謳われていました。2005年のことです。それから10年ほど経ち、次は「内臓脂肪」への効果が期待される機能性表示食品になりました。

ここでは、酢酸の内臓脂肪を減らすダイエット効果について詳しく見ていきます。

酢酸とは?

酢酸はメチル基(CH3)とカルボキシル基(COOH)がくっついた化合物です(CH3COOH)。理科の授業で習ったことがあるかもしれません。無色の液体で、ツンと鼻につく香りと酸味を持ちます。あの酸っぱい食酢にも酢酸は3~5%しか含まれていないので、理科の実習で使うような濃度の高い酢酸では、直接匂いを嗅ぐのは危険です(手で仰いで嗅ぐように指導された記憶をお持ちの方もいるでしょう)。

この酢酸は、身体の中でエネルギー源として使われています。実感しやすいのは、お酒を飲んだ後です。飲酒後に身体が熱くなって汗をかく…という経験をしたことがある人は多いでしょう。これは肝臓がアルコールを代謝(分解)するときに酢酸が作られて、それがエネルギー源として使われて熱を発するからです。

アルコール以外にも、肝臓が酢酸を作り出すときがあります。それは空腹時です。空腹時は肝臓で脂肪を分解してエネルギー源として使いますが、そのときに酢酸も作り出されて、筋肉などで利用されます[1]。

酢酸の効果とは?

これは体内で作られた酢酸の話ですが、では食事として摂った酢酸はどのように働くのでしょうか。

動物試験によって、身体の外から酢酸を摂ると、肝臓での脂肪合成が抑えられ、脂肪の蓄積が減少することが分かりました。また、酢酸を摂るとエネルギー代謝が亢進することも示唆されています[1]。

では、人間が酢酸を摂ったときには、どの程度の効果が得られるのでしょうか。お酢の製造・販売で有名な株式会社Mizkan(ミツカン)中央研究所が行った臨床試験がありますので、見てみましょう[2]。

軽度肥満(BMIが25~30)の健康な日本人男女155人(平均年齢44歳)を対象に、15mLもしくは30mLのリンゴ酢を含んだ飲料(含有されている酢酸はそれぞれ750mg、1500mg)、または偽の飲料(プラセボ)を1日2回、12週間にわたって飲んでもらいました。

その結果、CTスキャンで計測した腹部の内臓脂肪、皮下脂肪、総脂肪の面積は、プラセボを飲んだ群と比較して、リンゴ酢を飲んだ群で減ることが確認できました。特に30mL飲んだ人ではより減少の幅が大きく、飲む前から内臓脂肪は4.9%、皮下脂肪は2.8%、総脂肪は3.5%減少しました。

なお、体重に関しては12週間の試験後、1カ月経ってから計測したデータでは、15mLのリンゴ酢もしくはプラセボを飲んだ人では体重に変化はありませんでした。一方、30mLのリンゴ酢を飲んだ人は、平均差0.4kgの体重減少が見られました。

酢酸のダイエット効果は肥満気味の方限定

この臨床試験の結果を見ると、酢酸を飲むことで体脂肪を少し減らすことができるようです。

ただし、この試験ではBMIが25~30の軽度肥満の人が対象になっていました。普通体型の人やBMIが31以上の肥満の人は対象ではありません。実際に、酢酸を関与成分とする機能性表示食品のパッケージには「肥満気味な方の内臓脂肪を減少させる」と記載されています。このことを理解したうえで、ダイエットのサポート役として酢酸を取り入れてみてください。

なお、酢酸の入ったドリンクを飲むときは、だらだら時間をかけて飲まないようにし、寝る前は止めておきましょう。酸っぱい食べものが口の中に残ると、歯のエナメル質が溶けてしまいます。通常は唾液が歯を修復してくれますが、夜間は唾液の分泌量が減るので要注意です。酢酸を含む飲料を飲んだ後は口をゆすいでおくと安心です。また、飲んだ後はすぐに歯磨きをせず、1時間くらい経ってからの方がいいでしょう[3]。

参考文献

  1. [1]山下広美. 酢酸の生理機能性. 日本栄養・食糧学会誌 2014; 67:171-176
  2. [2]T Kondo et al. Vinegar intake reduces body weight, body fat mass, and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects. Biosci Biotechnol Biochem 2009; 73: 1837-1843
  3. [3]北迫勇一. 酸蝕症の病態と臨床対応. 日補綴会誌 2015; 7: 142-147

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