ダイエットを助ける健康食品
2019.09.02

共役リノール酸の効果とは?―ちょっと形の違う不思議な脂―

リノール酸はベニバナやコーン、大豆の油に多く含まれる必須脂肪酸です。牛やヤギなどの胃の中にいる微生物がリノール酸に作用して、形が少し違う「共役リノール酸」に変化させます。実はこの共役リノール酸にダイエット効果があるのではないかと期待されているのです。ここでは共役リノール酸について説明します。

監修医師

監修 管理栄養士・日本抗加齢医学会認定指導士  篠原絵里佳

共役リノール酸 サプリ

「共役リノール酸」は、牛やヤギなどの反芻動物の肉や乳、その加工品に含まれる特殊な形をした脂肪です。ベニバナやコーン、大豆といった植物に多く含まれるリノール酸が反芻動物の胃に入ると、そこにいる微生物が少しだけ形を変えて共役リノール酸にしてしまうのです。

この共役リノール酸に、体脂肪を減らす効果があるのではないかと言われ、研究が進められています。どの程度の効果が見込めるのか、詳しく見ていきましょう。

共役リノール酸とは?

リノール酸は脂肪酸の一種で、炭素分子が18個つながった形をしています。そのつながりの中で2カ所だけ二重結合をもつので、多価不飽和脂肪酸と呼ばれています。n-6系脂肪酸の一種です。

この二重結合のつながり方にはシス型とトランス型の2種類があり、通常のリノール酸はシス型だけです。一方、反芻動物の胃にいる微生物の作用を受けると、シス型がトランス型に変化し、共役リノール酸となります。

ややこしい話なのですが、要は「共役リノール酸は、ちょっと形の違うリノール酸」ということです。牛やヤギなどの胃で作られるため、その肉や乳などに天然に含まれています。

共役リノール酸の効果とは?

この共役リノール酸は、体脂肪を減らす効果があるのではないかと注目されています。

具体的には、脂肪をため込むときに働く酵素(リポタンパク質リパーゼ)の作用を弱めたり、脂肪をエネルギーとして使いやすくする酵素(ホルモン感受性リパーゼ)の作用を高めたり、筋肉などで脂肪を燃やしやすくしたりする働きがあると考えられています[1]。

共役リノール酸の臨床試験(メタ分析)

そのため、共役リノール酸と肥満については複数の臨床試験が行われています。

イギリスの研究者が、発表されている論文を網羅的に調べて、どの程度の効果があるのか分析しています。彼らは2864件の候補論文の中から、目的に合致した臨床試験を7つ(参加者の合計974人)をピックアップして解析しました。共役リノール酸を1日当たり2.4~6g飲ませた結果、共役リノール酸はプラセボ(偽の物質)と比較して、体重が平均で0.70kg減ったことが分かりました[2]。

このような研究方法はメタ分析と呼ばれ、最も信頼性が高い方法に位置づけられています。今回の結果は「共役リノール酸は確かに体重や体脂肪を減らすが、その効果はわずかである」というものでした。

なお、共役リノール酸を用いた臨床試験で、便秘や下痢・軟便が起こった人もいたと報告されています。

共役リノール酸をサプリで摂ることへの懸念

牛やヤギの肉や乳などに含まれる天然の共役リノール酸はわずかで、日本人は1日の食事から128mg摂っていると報告されています[3]。

これに加えて、もっと共役リノール酸を摂りたい場合は、サプリを使用することになります。サプリの場合は天然の共役リノール酸ではなく、工業的に生産されたものが配合されており、天然のものとは組成が違います。その点について懸念を持ち、国内の利用を制限している国もあるようです[4]。

というのも共役リノール酸は、身体に悪影響があるとされる「トランス型脂肪酸」に形が似ているため、国によって捉え方が異なるのです。日本ではコーデックス(国際的な食品規格)の定義に従って、共役リノール酸はトランス脂肪酸には含まれないという立場を取っています[5]。

もし共役リノール酸をサプリで試してみる場合は、パッケージに記載のある目安量を守り、便秘や下痢などの症状があらわれたら使用を控えましょう。食品中に含まれる程度の量であれば問題ありません。

参考文献

  1. [1]菅野道康. 食品中の機能性成分による共役リノール酸の肥満防止効果促進と作用機構解明. 乳の学術連合 2000
  2.  http://m-alliance.j-milk.jp/ronbun/kenkokagaku/studyreports2000-01.html(参照2019-07-21)
  3. [2]Onakpoya IJ et al. The efficacy of long-term conjugated linoleic acid (CLA) supplementation on body composition in overweight and obese individuals: a systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials. Eur J Nutr 2012; 51(2): 127-34
  4. [3]古賀民穂ほか. 食事中のCLA含量. 日本栄養・食糧学会西日本支部大会 講演要旨集 2002; 27
  5. [4]国立医薬品食品衛生研究所安全情報部. 食品中のトランス脂肪酸について(「食品安全情報」から抜粋・編集)-その1(2003年4月~2018年6月)
  6.  http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/trans-fatty-acids/TFA1.pdf(参照2019-07-21)
  7. [5]食品安全委員会. 新開発食品評価書 食品に含まれるトランス脂肪酸. 2012
  8.  https://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/iinkai422_trans-sibosan_hyoka.pdf(参照2019-07-21)

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