ダイエットを助ける健康食品
2019.07.01

リコピンの効果とは?―赤い色素でコレステロールや血圧対策―

リコピンは植物が作り出す赤色の色素で、トマトやスイカなどに多く含まれています。見た目からして身体に良さそうですし、実際に善玉コレステロールを増やしたり、血圧を正常に保ったりするのに役立つと言われています。リコピンについて詳しく解説します。

監修医師

監修 管理栄養士  横川仁美

高リコピンのトマト

「リコピン」と聞くと、トマトを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。市販のトマトジュースのなかには「高リコピン」と記載のあるものもあり、何となく身体に良さそうに思えますよね。

リコピンは植物に赤い色を付ける物質で、カロテノイド(カロテン類)の一種です。カロテノイドは強い抗酸化作用を持つことで知られ、身体をサビさせる活性酸素などから守ってくれる働きがあります。近年ではリコピンの研究が進んで、HDL-コレステロール(いわゆる善玉コレステロール)を増やしたり、血圧を正常に保ったりする効果などがあることが示され、機能性表示食品が開発されています。

ここでは、リコピンの脂質(HDL-コレステロール)と血圧への作用や効果について解説します。

リコピンのHDL-コレステロールへの効果

コレステロールは「高いと良くない」というイメージを持ちがちですが、善玉と呼ばれるHDL-コレステロールは「低いと良くない」ものです。HDL-コレステロールは血管壁にたまったコレステロールを回収して肝臓に戻す作用があるので、少なすぎると動脈硬化のリスクが高まります(40mg/dL以上あるのが正常)。

リコピンがHDL-コレステロールを増やす理由

リコピンがHDL-コレステロールを増やす仕組みは、大きく2つあるのではないかと考えられています[1]。

1つは、リコピンが肝臓や小腸で作られて血中を回っている「コレステリルエステル転送タンパク」の働きを抑えることにより、HDL-コレステロールが増えるという仕組みです。このタンパクはHDLのコレステロールをLDLやVLDLに転送するというもので、働きが鈍るとHDL-コレステロールが増えることが分かっています。

もう1つは、リコピンが体内でコレステロールを合成する酵素(HMG-CoA還元酵素)を阻害して、悪玉のLDL-コレステロールを減らし、その影響でHDL-コレステロールが増えるという仕組みです。

リコピンをどれくらい摂ればいい?

リコピンと脂質に関する複数の研究結果をまとめて解析(システマティックレビュー&メタアナリシス)した結果によると、リコピンを1日当たり15mg、8週間以上続けて摂取したときに、HDL-コレステロールを増やす効果が認められました[1]。

生鮮なトマトに含まれるリコピン量はばらつきが大きいですが、大きなサイズ1個(300gほど)を食べればリコピン15mgに相当する量になるとのことです。リコピンを多く含んだトマトやジュースならもっと少なくてもいいでしょう。

リコピンの血圧への効果

リコピンは、コレステロールと同様に動脈硬化の原因となる血圧についても、良い影響を及ぼすことが報告されています。

リコピンが血圧に良い理由

リコピンが血圧に良い影響を与える理由として、カロテノイドの抗酸化作用があります。

そもそも血圧とは、血液が血管を押し拡げる力のことです。ホースと水を思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれません。ホースの直径が大きい方が、ホースにかかる水の力は減りますよね。血管も同様に、血管の直径が拡がれば血圧は下がるのです。

このように血管を拡張させて血圧を下げる働きのある物質の一つとして「一酸化窒素」(NO)が知られています。しかし、このNOは、活性酸素やフリーラジカルによる酸化ストレスがかかると働きが弱まってしまうのです。そこにリコピンのような抗酸化物質があれば、活性酸素やフリーラジカルが消去され、NOが血管を拡げることができます。

このような仕組みで、カロテノイドの一種であるリコピンがもつ抗酸化作用により、血圧を正常に保つサポートができるのではないかと期待されているのです。

リコピンが血圧に及ぼす影響

リコピンがどのくらい血圧を下げるのかについては、6件の研究を用いた分析によると、収縮期血圧(上の血圧)が平均で4.95mmHg下がったという結果が出ています。ただし、拡張期血圧(下の血圧)では効果が見られませんでした[2]。

健康によい食品として賢く利用を

このように、トマトなどに多く含まれるリコピンは、HDL-コレステロールを増やし、血圧を正常に保つ効果が期待できる成分です。

ぽっこりお腹(メタボ体型)に脂質異常症、高血圧、高血糖が加わると、動脈硬化のリスクが大きく高まります。そういった人は食事改善の一環として、リコピンを積極的に摂るといいでしょう。

トマトをそのまま食べると、満腹感もありますし、他の栄養素も一緒に摂れますのでおすすめです。トマトは冷蔵庫から出してさっと洗えば、すぐ食べられるお手軽な野菜でもあります。小腹が空いたときの間食代わりにしてもいいでしょう。近年では多くの種類がスーパーに売られていますので、ぜひお気に入りを見つけてください。

ただ、毎日食べていると飽きるかもしれないので、そういうときはトマトジュースやサプリなどを活用してもいいかもしれません。サプリを飲むときは、パッケージに記載のある目安量を守ってくださいね。

参考文献

  1. [1]カゴメ株式会社. カゴメトマトジュース食塩無添加. 販売しようとする機能性表示食品の科学的根拠などに関する基本情報; 表示しようとする機能性に関する説明資料(研究レビュー): 別紙様式(Ⅴ)-4
  2. https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc06/youshiki5?yousiki5216File=A108%255CA108_youshiki5.pdf
  3. [2]Li X et al. Lycopene supplement and blood pressure: an updated meta-analysis of intervention trials. Nutrients 2013; 18: 3696-712

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