ダイエットを助ける健康食品
2019.05.31

ケルセチン配糖体の効果とは?―体脂肪の分解をサポート―

「ケルセチン配糖体」が脂肪分解酵素を活性化させて体脂肪を減らす、と謳っているトクホ飲料がよく売れているようです。ダイエットやメタボ体型を気にしている人なら、一度は飲んだことがあるでしょう。ここではケルセチン配糖体の効果と賢い使い方について簡単に解説します。

監修医師

監修 管理栄養士  廣野沙織

玉ねぎイメージ

トクホ飲料のなかでも「ケルセチン配糖体(イソクエルシトリンとして)」を配合したお茶は、コンビニやスーパーの目立つ場所で売られている人気商品の一つです。ただ、ケルセチンという成分名にはあまり馴染みがない人も多いのではないでしょうか。実はケルセチンは野菜や果物、緑茶などに含まれるフラボノイドの一種です。ここではケルセチン配糖体が持っているといわれる、脂肪分解酵素を活性化させ、体脂肪を減らすのを助ける効果について詳しく解説します。

ケルセチン配糖体とは?

ケルセチンはフラボノイド(ポリフェノール)の一種です。フラボノイドとは植物に広く分布する色素成分で、植物にとっては、昆虫に花粉を運んでもらうために花にきれいな色を付けたり、太陽から降り注ぐ紫外線や害虫から身を守ったりするために必要な物質です。多くの植物がケルセチンを作り出しています。例えば玉ねぎには100g中に28~50mg程度のケルセチンが含まれています[1]。また、アブラナ科の野菜(キャベツ、小松菜、ブロッコリーなど)、緑茶、果物などにも含まれています。

ケルセチンは、植物のなかでは糖(ブドウ糖など)とくっついた形で存在します。そのため、ケルセチン配「糖」体という名前がついているのです。また、ケルセチン配糖体の中ではいくつかの種類があり、そのなかでもトクホに入っている「イソクエルシトリン」は体内に吸収されやすい成分とされています[1]。

ケルセチン配糖体の効果とは?

先ほど紹介したように、ケルセチン配糖体はポリフェノールの一種です。ポリフェノールは健康によい成分であることは広く知られていますよね。ワインに含まれるポリフェノールが動脈硬化を防ぐ(かもしれない)という話はよく耳にするのではないでしょうか。同様にケルセチンにも、下記のような作用があるのではないかと期待されています[2]。

  • 体脂肪低減作用
  • 抗酸化作用
  • 抗炎症作用
  • 血圧低下作用
  • コレステロール低下作用 など

ここでは、ヒトでの臨床試験を実施し、トクホとして国に認定されているケルセチン配糖体の体脂肪低減作用について詳しく解説します。

ケルセチン配糖体が体脂肪を減らす仕組み

ケルセチン配糖体は小腸で吸収された後、少し形を変えてから血液に乗って体内を巡ります。そして、脂肪組織にアプローチして脂肪の分解を促進する手助けをします。分解された脂肪がエネルギー源となって消費(脂肪燃焼)されると、結果として体脂肪が減るという仕組みです。

脂肪の分解についてもう少し詳しく説明しましょう。体内に脂肪をためる役割を持つ細胞(脂肪細胞)には、必要なときに脂肪をエネルギー源として使えるようにする(脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解する)ための酵素「ホルモン感受性リパーゼ」があります。例えるなら、倉庫で保管していた「脂肪」を出荷するために、トラックに載るように小分けにするのがこの酵素の役割です。ケルセチンはこの酵素の働きを活性化し、脂肪の分解を促進すると考えられています。

ただし、この酵素はアドレナリンなどのホルモンが出ているときにしか働きません。そのため名前に「ホルモン感受性」という言葉が付いているのです。アドレナリンは交感神経が優位になると分泌されるホルモンです。つまり、運動などで身体を動かしたときにこの酵素が働くということです。

ですから、運動をしてアドレナリンが出るようにし、ホルモン感受性リパーゼが働く状態にしましょう。そうすればケルセチン配糖体がその酵素の働きを手助けしてくれて、脂肪を燃焼しやすくなります。

ケルセチン配糖体の体脂肪低減効果

では、ケルセチン配糖体を含む飲料を飲むと、どのくらい脂肪が減るのでしょうか。

肥満(BMIが25~30)の人を対象に、ケルセチン配糖体を110mg配合した飲料を12週間続けて飲んだ臨床試験によると、内臓脂肪の面積が3cm²ほど減少しました。ケルセチン配糖体を含まない飲料を飲んだ対照群と比較すると8cm²ほど減りました[2]。

この結果は、元の脂肪面積から見てみるとわずかなもので、大きな効果があるとは言えません。体重やBMI、ウエスト径などには影響がみられなかったようです。

なお、この試験では食事や運動の習慣をなるべく変えないままで飲ませていました[3]。やはり「ケルセチン配糖体を摂ってさえいれば、食事や運動を見直さなくても痩せる」というわけにはいかないようです。

ダイエットの「薬」ではなく「意識付け」として利用しよう

このように、ケルセチン配糖体の効果は限定的なものです。飲むだけでダイエットできる魔法の薬ではありません。ケルセチン配糖体がもつ、運動したときに脂肪の分解を促進する作用から考えると、運動する習慣をつけるためのサポート飲料として利用するのが賢い使い方ではないでしょうか。重要なのは、あなたの食生活が少しずつでも良い方向に改善していくことです。

なお、飲みやすい味なので、たくさん飲めばより効果が高まると考える人がいるかもしれませんが、そのように使うのは間違いです。パッケージに書いてある目安量を守りましょう。量よりも継続して飲むことの方が大事です。また、妊娠中と授乳中については安全性を担保する十分な情報がまだないため、安全のため控えておいた方が良いでしょう。

参考文献

  1. [1]寺尾純二. ケルセチン配糖体の吸収代謝と活性発現機構(ビタミン類縁化合物に関する最近の研究). ビタミン 2005; 79(1): 3-11
  2. https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/79/1/79_KJ00003332882/_article/-char/ja/
  3. [2]サントリーホールディングス株式会社. ケルセチン配糖体配合飲料 特定保健用食品「伊右衛門 特茶」の開発. 日本農芸化学会 受賞講演要旨集2017年度: 13-14
  4. http://www.jsbba.or.jp/wp-content/uploads/file/award/2017/JSBBAaward_abstracts_2017.pdf
  5. [3]中村淳一. ケルセチン配糖体の体脂肪低減効果. 日本清涼飲料研究会抄録 2014
  6. https://www.suntory.co.jp/sic/research/paper/pdf/gakkai_15-17.pdf

今すぐ読みたい

「ダイエットを助ける健康食品」の関連情報