ダイエットを助ける健康食品
2019.09.02

ガルシニアの効果とは?―運動中の脂肪燃焼をサポート―

「ガルシニア」は東南アジアやインドに生息している植物で、昔から果実が香辛料として利用されています。この果実には「ヒドロキシクエン酸」という成分が含まれており、脂肪を燃焼させる効果があると言われています。ここではガルシニア(ヒドロキシクエン酸)の成分と効果について解説します。

監修医師

監修 管理栄養士  廣野沙織

運動中にヒドロキシクエン酸を摂取する女性

「ガルシニア」は、正式には「ガルシニア・カンボジア」(別名:インディアンデイト、ゴラカ)というオトギリソウ科の植物です。その名からも想像できるように、東南アジアやインドに生えています。マンゴスチンの仲間で、黄色~赤色のオレンジのような実を付けます[1]。

このガルシニアの果実や果皮は、甘酸っぱさを付けるスパイス(香辛料)として古くから使われてきました。もしかすると本格派のカレーなどに入っているのを食べたことがあるかもしれません。

このガルシニアには、「ヒドロキシクエン酸」という成分が多く含まれています。この成分は脂肪の燃焼を促進してダイエットによいということで注目されました。現在ではこの成分を含む機能性表示食品が登場しています。ここではガルシニア(ヒドロキシクエン酸)の効果について詳しく解説します。

ガルシニア(ヒドロキシクエン酸)とは?

ヒドロキシクエン酸は、レモンなどに多く含まれる「クエン酸」と似た形をした成分です(クエン酸については『クエン酸の効果とは?―爽やかな酸味で疲労感を軽減―』をご覧ください)。

クエン酸は体内で糖質や脂質の代謝に大きく関係しています。そこに形の似ているヒドロキシクエン酸があると、糖質(グルコース)が脂肪酸となる経路で働く酵素(ATPクエン酸リアーゼ)の働きが邪魔されてしまいます。その結果として脂肪が燃焼しやすくなったり、脂肪の蓄積を抑制したり、空腹感を抑制したりすると考えられています[1]。

ガルシニア(ヒドロキシクエン酸)の効果とは?

このようなヒドロキシクエン酸の効果から、肥満の薬になるのではないかと期待されていくつかの臨床研究が実施されました。しかし、残念ながらあまり良い結果は得られませんでした[2]。体重そのものへの効果はあまり期待できなそうです。

運動中の脂肪燃焼を高める効果

ヒドロキシクエン酸を含む機能性表示食品では、体重減少ではなく「運動中の脂肪の燃焼を高める」効果をパッケージに記載しています。その根拠となった試験として3つを挙げていますが、1つはアスリートでの試験ですので、残り2つのトレーニング習慣のない男女の大学生での試験結果を見てみましょう。いずれも韓国で行われた臨床試験です。

1つ目は、男性の大学生6人にヒドロキシクエン酸(500mg)を含む飲料を5日間飲ませて、運動中の呼気ガス分析をした試験です。この分析で、糖質・脂質・タンパク質のどの成分がエネルギー源として使われたのかを類推できます。この試験では、運動中の脂肪の燃焼程度が増えたという結果が出ました[3]。

2つ目は、女性の大学生6人にヒドロキシクエン酸(250mg)を含む飲料を5日間飲ませた試験です。上記と同様に呼気ガス分析をしたところ、運動中の脂質燃焼程度は高まる傾向が見られました[4]。

このことから、ヒドロキシクエン酸を飲むだけで体重が減るのは期待できませんが、運動をしたときに効率よく体脂肪を減らすことができる可能性はありそうです。

ガルシニア(ヒドロキシクエン酸)の活用法

ダイエットのために運動をしている人は、脂肪燃焼をサポートするためにヒドロキシクエン酸を使ってみてもいいかもしれません。同じ運動をするにしても、より脂肪が減りやすくなると思えば、運動を続ける気持ちが高まりますよね。そんな利用法が望ましいです。

運動せず、ヒドロキシクエン酸を飲むだけでダイエットになるとは考えないでください。もし飲むだけで痩せられるなら、今ごろは肥満解消の薬になっているはずです。これはどの健康食品にも言えることですが、基本的にあなたのダイエットをサポートしてくれるものであって、痩せ願望をかなえてくれる魔法の薬ではありません。

なお、ヒドロキシクエン酸は動物実験(ラット)における1年間の長期毒性試験にて、精巣に悪影響があったことが報告されています[5]。1日に1.5g(ヒドロキシクエン酸換算)を超えて摂取するのは避けましょう。製品のパッケージをよく見て、摂り過ぎないように注意してください。また、妊娠中と授乳中については安全性を担保する十分な情報がまだないため、避けた方がいいでしょう。

参考文献

  1. [1]齋藤衛郎ほか.ダイエット食品素材ガルシニアの有効性および安全性 http://www.nibiohn.go.jp/eiken/hn/modules/pico/index.phpcontent_id=285&page=print.html(参照2019-07-21)
  2. [2]Heymsfield SB et al. Garcinia cambogia (hydroxycitric acid) as a potential antiobesity agent: a randomized controlled trial. JAMA 1998; 280(18):1596-600
  3. [3]Tomita K et al. (-)-hydroxycitrate ingestion increases fat oxidation during moderate intensity exercise in untrained men. Biosci Biotechnol Biochem 2003; 67: 1999-2001
  4. [4]Lim K et al. (-)-Hydroxycitric acid ingestion increases fat utilization during exercise in untrained women. J Nutr Sci Vitaminol 2003; 49: 163-167
  5. [5]厚生労働省医薬局. ガルシニア抽出物を継続的に摂取する健康食品に関する情報提供について(食発第0307001号), 2002 https://www.mhlw.go.jp/topics/2002/03/tp0307-1.html(参照2019-07-21)

今すぐ読みたい

「ダイエットを助ける健康食品」の関連情報