ダイエットを助けるカラダ基礎知識
2020.07.28

中年太りはどうして起こる?中年太りダイエットのポイントを紹介

気持ちは若いつもりでも、中年太りをした自分の体型を見るとガッカリしますよね。どうして中年太りが起こってしまうのでしょうか。また、どうダイエットすれば中年太りから痩せることができるのでしょうか。ここでは中年太りに心を痛めている中年の皆様へ、中年太りの理由と対策について解説します。

中年太りイメージ

気持ちは若いつもりでも、中年太りした自分の体型を見ると「もう年だな……」と老いを感じてしまいませんか?でも、いまや人生は100年時代。まだ人生の後半戦に達してもいない人も多いですよね。そう考えると中年太りで絶望している場合ではありません。ここでは中年太りの理由や対策について解説しますので、一緒にこれからのダイエットについて考えていきましょう!

どうして中年太りが起こるのか?

中年太りの理由としてよく挙げられるのは「基礎代謝量の低下」です。基礎代謝量とは、横になっていても消費されるエネルギーのことで、「基礎代謝が高いほど痩せやすい」というのは常識のようになっています。この基礎代謝量は加齢によって低下するために中年太りが起こるという理屈です。

では、実際に基礎代謝量は年齢によってどう変わるかを表で見てみましょう[1]。

基礎代謝量(覚醒状態で必要な最小源のエネルギー)
年齢 男性 女性
15~17歳 1610 kcal 1310 kcal
18~29歳 1530 kcal 1110 kcal
30~49歳 1530 kcal 1160 kcal
50~64歳 1480 kcal 1110 kcal
※ いずれも参照体重での値

若い頃(15~17歳)と比較すると確かに基礎代謝量は減っていますが、思いのほかそんなに違わないですよね。男性では100kcalほど、女性では200kcalほどの差です。もちろん塵も積もれば山となりますから、若いときと同じように食べていたらもちろん太ります。

単純計算ですが、7200kcalのカロリーオーバーで脂肪組織が1kg増えますので、加齢で基礎代謝量が減って1日100kcalのオーバーをしていたとすると、2か月半ほどで体重が1kg増え、1年で約5kg増にも……。確かに基礎代謝量の減少は中年太りの一因と言えそうです。

中年太りの原因は基礎代謝量だけじゃない?

でも、少し振り返ってみてください。15歳の頃って、100kcalや200kcalではきかないくらい、今よりももっとたくさん食べていたような気がしませんか?それなのに普通~痩せの体型だったのはなぜでしょうか。

それは「身体活動レベル」が違うからです。身体活動レベルは、日頃どのくらい身体を動かす生活をしているかによって3段階に分かれています[1]。

  • 身体活動レベルが低い:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心
  • 身体活動レベルがふつう:座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む
  • 身体活動レベルが高い:移動や立位の多い仕事への従事者、あるいはスポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合

当たり前ですが、身体活動レベルが高ければ消費エネルギーも多く、痩せやすいことになります。身体活動レベルが高い人は基礎代謝量の約2倍のエネルギーを1日で消費していますが、ふつうの人は約1.75倍、低い人では約1.5倍しか消費していません。

生徒・学生の頃は、体育の授業や部活動、移動手段の制限などにより身体活動レベルはふつう~高い状態だったのではないでしょうか。しかし、大人になってデスクワーク中心の生活になると、身体活動レベルは低くなりがちです。こう考えると、意識的に食事や運動を心がけていないなら、自然に中年太りをしてもおかしくないですよね。

中年太りの「危険な太り方」

さらに悪いことに、中年太りの中には「危険な太り方」というのがあるのです。身体につく脂肪は、大きく「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に分けられますが、内臓脂肪が多い「内臓脂肪型肥満」は血管が傷つき、動脈硬化となって脳・心臓の病気になりやすくなります(詳しくは『メタボはただの肥満じゃない!メタボ対策「待ったなし」の理由』をご覧ください)。

いわゆる「リンゴ型肥満」が内臓脂肪型肥満の典型的な見た目です。

特に、若いときに痩せていたのに、中年になって10kg以上増えてしまった人は要注意です[2]。このような人は内臓脂肪がより多くたまりやすい体質なので、ぜひダイエットをしてください。幸いなことに内臓脂肪はダイエットによって落ちやすい脂肪なので、取り組みやすい目標にできます。

内臓脂肪が多いか少ないかは、ウエスト周囲径(腹囲)を測ることで分かります。立って両足を肩幅に開き、リラックスした状態で、おへその周りを水平に測ってください。慣れないとうまく測りにくいのですが、40歳以上なら健康診断(特定健診)でプロにウエスト周囲径を測ってもらえますので、それが参考になります。

中年太りをダイエットで解消するには

ダイエットの基本原則は「摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やす」ことです。これは中年太りの場合も変わりません。ただし中年の場合は特に気を付けていただきたいことがあります。

中年太りのダイエット:食事編

中年太りを解消するための食事については、カロリーを落とすことに加え、糖質や脂質、塩分の摂り過ぎに注意してください。

糖質の摂り過ぎは太る原因になるとともに、血糖値が高い状態を招きやすくなります。血糖値が高いと体内のタンパク質が「糖化」しやすくなり、これが老化の原因となると考えられています。

脂質の摂り過ぎも、もちろん太る原因になります。脂質の中でもLDL-コレステロール(悪玉)が過剰に増えて酸化すると、血管が傷ついて動脈硬化になりやすくなります。

中年は塩分の摂り過ぎにも注意してください。過剰な塩分は身体に水分を貯め込んで水太り(むくみ)を引き起こしますし、血圧も高くしてしまいます。高血圧は血管を傷つける大きな原因となります。

これらを踏まえ、中年太りの人に勧めたいのは「和食」中心の食生活です。和食メニューは魚や野菜が多く摂れて、脂分は少なめなのでローカロリーです。懐石料理のように、少しずつ多くの種類のおかずを先に食べて、最後にご飯を少なめに食べるようにするのが理想です。

和食は塩分が高めになる傾向があるので、なるべく出汁のうま味をきかせたり、減塩の調味料を使ったりするようにしてください(詳しくは『血圧が気になる人に「かるしお」のススメ』を参照)。

なお、体脂肪を落とすのを助けてくれる食品を活用してもよいでしょう。例えば、葛の花由来イソフラボンは太り気味の方の脂肪を落とすのを手助けしてくれる成分です。詳しくは『葛の花(由来イソフラボン)の効果とは?―根拠を知って賢く活用を―』をご覧ください。

中年太りのダイエット:運動編

中年太りを解消するための運動については、無理のない範囲で行うようにしてください。運動習慣のない人が突然思い立って「毎日5km走る」という目標を立てても、まず続きませんし、膝などの関節を痛めてしまう可能性もあります。

いずれ激しい運動でも続けられる身体をつくるためにも、まずはストレッチで身体をほぐしてから、無理のない範囲で筋トレをしてみてください。筋肉はいずれ来る高齢期の健康を支える非常に大きな財産となります。さらに軽いジョギングやウォーキングもできると、効率良くカロリー消費ができますよ。

若い頃のようにはいかなくても、せめて身体活動レベルは「ふつう」くらいに保てるように身体を動かすことを目指しましょう。近頃は在宅勤務やテレワークなど、今まで以上に動かない生活になりがちです。近場には車ではなく歩いていく、毎日決まった時間にラジオ体操をするなど、意識的に動くようにしてください。

中年期の過ごし方は、その後の高齢期の生活を大きく左右します。中年太りをしてしまっている人は、身体からのSOSサインであると認識し、無理のない範囲で日常的にダイエットに取り組んでくださいね。

参考文献

  1. [1]厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版)―「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書―
  2. [2]国立長寿医療研究センター. 若い時のやせと中年太りは内臓脂肪のもと. すこやかな高齢期をめざして~ワンポイントアドバイス~, No.39
  3. https://www.ncgg.go.jp/cgss/department/ep/topics/topics_edit39.html

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