ダイエットを助けるカラダ基礎知識
2020.07.28

妊婦のダイエットとは、体重を減らすのではなく増やしすぎないこと!!

妊婦さんはどうしても体重が増えやすいもの。妊婦健診で体重増加に気を付けるように言われたことのある妊婦さんもいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に体重が増えやすい理由と、体重増加に気を付けるように指摘された場合のおすすめダイエットをご紹介します。

体重計に乗る妊婦イメージ

まず妊婦のダイエットとは、あくまで妊婦健診などで体重増加に気を付けるよう指摘された妊婦さんが「体重を増やしすぎないようにする」というものです。望ましい体重増加量を超えるようだと、医師や助産師から指摘されます。

妊婦の望ましい体重増加量とは?

では、望ましい体重増加量はどのくらいでしょうか。厚生労働省では、妊娠全期間を通じての推奨体重増加量を下記のように設定しています[1]。

  • 妊娠前の体型がやせ(BMIが18.5未満):9~12kg
  • 妊娠前の体型が普通(BMIが18.5以上25.0未満):7~12kg
  • 妊娠前の体型が肥満(BMIが25.0以上):個別対応(25をやや超える程度なら5kgが目安)

※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

このように、妊娠前の自分の体型(BMI)に合った体重増加量を目指すことが大切です。

望ましい体重増加量を上回る場合は、妊娠高血圧症候群、巨大児分娩などのリスクが高まり、難産となる可能性があります。反対に体重増加量が少なすぎる場合は、切迫早産や早産、低出生体重児(2500g未満)のリスクがあり、さらに赤ちゃんが成長した後に生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)になりやすくなることが懸念されています。

つまり、すべての妊婦さんにダイエットが必要なわけではない点に留意しましょう。

妊娠中はどうして体重が増えやすいのか?

妊婦さんにはちょうどいいくらいの体重増加が良いとはいえ、「妊娠する前よりも太りやすくなった」と感じる方も少なくありません。そもそも、妊娠中はなぜ体重が増えやすいのでしょうか。

赤ちゃんを育てるための体の変化

女性は妊娠すると、ホルモンの働きにより身体に変化が起こります。赤ちゃんを育てるために必要な栄養を蓄えようとして脂肪が蓄積されやすくなったり、赤ちゃんに栄養を送るために血液に含まれる水分の量が増えて、むくみやすくなります。

また、腸の働きが低下し、便秘にもなりやすいです。これらに加え当然、赤ちゃんの体重や胎盤、羊水分の重さもあります。妊婦さんの体重が増えるのは当たり前なのです。

食べ過ぎ

妊娠の自然の成り行きとして体重が増えやすい状態なので、食べ過ぎにはご注意を。妊娠すると、これまでよりも食欲旺盛になる方が多いようです。妊娠初期にはつわりでごはんが食べられなかった方も、落ち着いたころにその反動で食欲が止まらなくなってしまったり、ストレス発散のためにスイーツをたくさん食べてしまったりすることもあるかもしれません。

妊婦さんは通常よりも食事の量を増やす必要はありますが、カロリーや栄養バランスを気にせずに好きなものを食べたいだけ食べていると、思いのほかすぐに望ましい体重増加量をオーバーしてしまいます。

運動不足

妊婦さんは大きいお腹での動きづらさやつわりによる体調不良のため、運動不足になりがちです。妊娠中の無理は禁物ですが、出産・育児のために脂肪がつきやすくなっているため、適度に運動しないとすぐに体重が増えてしまいます。

妊婦さんが「体重を増やしすぎないようにする」おすすめダイエット

妊娠中のダイエットは、食事制限やハードな運動により減量するのではなく、体重を増やしすぎないことが大切です。毎日の生活に簡単に取り入れやすい、妊婦さんにおすすめのダイエットをご紹介します。

毎日体重をはかって、現状を知っておく

毎日決まった時間に体重をはかることを日課にしてみましょう。毎日はかることで「昨日は食べ過ぎたから、今日は食事を控えめにしよう」といった具合で、微調整がしやすくなります。

栄養バランスのとれた食事を心がける

妊婦さんには栄養バランスのとれた食事が必要ですが、具体的に何をどれだけ食べたらいいのか分かりにくいですよね。そんなときに役立ちそうなのが「妊産婦のための食事バランスガイド」です[2]。

食事バランスガイドでは1日に何をどれだけ食べたらよいかが「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5グループの料理や食品を組み合わせてとれるよう、コマにたとえてそれぞれの適量をイラストで分かりやすく示しています。あなたの食生活と照らし合わせて、過不足を確認してみてください。

ダイエット中でも妊婦さんに積極的に摂取してほしい栄養素は、葉酸、カルシウム、鉄分です。葉酸は「胎児の神経管閉鎖障害リスクの軽減」「胎児や乳児の成長を促す」などに有用だとされています。葉酸が多く含まれているお手軽食材は焼きのりです。特別な調理は不要で、低カロリー。すぐに朝食やお弁当に加えたいですね。

カルシウムは赤ちゃんの骨の成長に必要です。カルシウムは乳製品や小魚に含まれますが、より低カロリーなモロヘイヤや切干大根などにも豊富に含まれています。カルシウムの吸収率を高めるビタミンD(きのこ、魚)や骨作りを助けるビタミンK(納豆)も一緒に摂取するよう心がけましょう。

また、妊婦さんは貧血を起こしやすいといわれています。肉や卵のような動物性食品に含まれる鉄分は比較的吸収がよいとされていますが、それだけで鉄分を摂取しようとするとカロリーオーバーしがちです。代わりに比較的カロリーが低い魚や貝類、そして鉄分を含む大豆製品や野菜(青菜類)を、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取して体内への吸収率をアップさせましょう。

無理のない程度に、動く

気分転換も兼ねて、赤ちゃんグッズを見に出かけるのはどうでしょう。生まれてくる赤ちゃんのことを考えながらお買い物すると、自然に歩き回ることができますよ。出歩きたくないときは、普通に家事をするだけでもよいと思います。

お腹が大きくなると、少し動くのも億劫になってしまいますよね。「運動しよう」と気負うのではなく、無理なく(出来れば楽しく)できることを生活に取り入れましょう。ただし、お腹の張りや痛みが出た場合は、すぐに休憩を取ってください。

妊娠中は、体も心も大きく変化するため、戸惑いやストレスも大きいと思います。自分のためにも、赤ちゃんのためにも、無理なく出来る範囲で不必要な体重増加を防ぎましょう。もし悩みや迷いがあれば、気兼ねなく妊婦健診の場などで医師や助産師に相談してくださいね。

参考文献

  1. [1]厚生労働省. 「妊娠期の至適体重増加チャート」について, 妊産婦のための食生活指針―「健やか親子21」推進検討会報告書―, 2006
  2. [2]厚生労働省. 妊産婦のための食事バランスガイド
  3. https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

今すぐ読みたい

「ダイエットを助けるカラダ基礎知識」の関連情報